HDRモード

明暗差の大きいシーンで、白とびや黒つぶれが緩和された、階調の広い(ハイダイナミックレンジな)写真を撮影することができます。風景などの静物の撮影に適しています。

HDR撮影では、1回の撮影で露出の異なる3枚の画像(標準露出/露出アンダー/露出オーバー)を連続撮影して、自動的に画像合成を行います。撮影したHDR画像はJPEG画質で記録されます。

HDRはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略です。

  1. 撮影HDRモードHDRモード]を選ぶ

  2. Dレンジ調整]を設定する

    • 自動]を選ぶと、撮影画面全体の明暗差に応じて調整幅が自動設定されます。
    • 数値が大きいほどダイナミックレンジが広い写真を撮影することができます。
    • HDR撮影をやめるときは、[HDRオフ]を選びます。
  3. 仕上がり効果]を設定する

  4. HDR撮影の継続]を設定する

    • 1回で終了]を選んだときは、撮影が終了すると、HDR撮影が自動的に解除されます。
    • 繰り返し]を選んだときは、手順2で[HDRオフ]を選ぶまでHDR撮影が続きます。
  5. 画像位置自動調整]を設定する

    • 手持ち撮影を行うときは[する]、三脚などを使用するときは[しない]を選びます。
  6. 保存する画像を指定する

    • 撮影した3枚の画像と、合成したHDR画像を保存するときは、[全画像]を選びます。
    • HDR画像だけを保存するときは、[HDR画像のみ]を選びます。
  7. 撮影する

    • シャッターボタンを全押しすると、3枚連続撮影され、HDR画像がカードに記録されます。

注意

  • RAW画質で撮影したときは、HDR画像はJPEGファインラージの画質で記録されます。RAW+JPEG画質で撮影したときは、HDR画像は設定したJPEG画質で記録されます。
  • 拡張ISO感度(L、H)でHDR撮影を行うことはできません。ISO100~102400の範囲([ISO感度の範囲]の[下限値][上限値]の設定による)でHDR撮影を行うことができます。
  • HDR撮影時はストロボは発光しません。
  • AEB撮影はできません。
  • 動いている被写体を撮影すると、被写体の動きが残像のように写ることがあります。
  • HDR撮影はシャッタースピードなどを自動的に変えて3枚の画像を撮影します。そのためフレキシブルAE シャッター優先AE マニュアル露出モードでも、設定したシャッタースピードを基準に、シャッタースピードやISO感度が変化します。
  • 手ブレを抑えるため、ISO感度が高く設定されることがあります。
  • 画像位置自動調整]を[する]に設定して撮影したときは、AFフレーム表示用の情報()、およびダストデリートデータ()は画像に付加されません。
  • 画像位置自動調整]を[する]に設定して手持ち撮影を行うと、画像の周辺部分がわずかにトリミングされ、解像感が若干低下します。また、手ブレなどにより画像のズレ量が大きいと、自動位置合わせが行われないことがあります。なお、極端に明るい(または暗い)露出設定で撮影すると、自動位置合わせが適切に行われないことがあります。
  • 画像位置自動調整]を[しない]に設定して手持ち撮影を行うと、3枚の画像がズレてHDRの効果が十分に得られないことがあります。そのときは、三脚の使用をおすすめします。
  • 格子模様、ストライプ模様のような繰り返しパターンや、画面全体が平坦で単調なときは、自動位置合わせが正常に行われないことがあります。
  • 空や白壁のようなシーンのグラデーションが滑らかに再現されなかったり、露出ムラや色ムラ、ノイズが発生することがあります。
  • 蛍光灯やLED照明などの光源下でHDR撮影を行うと、照明されている部分が適切な色で再現されないことがあります。
  • HDR撮影は撮影後に画像を合成してからカードに記録するため、時間がかかります。画像処理中はモニターに[BUSY]が表示され、処理が終わるまで次の撮影はできません。

仕上がり効果

  • ナチュラルナチュラル

    明暗差の大きいシーンで、通常は白とびしてしまう部分や、黒くつぶれてしまう部分の描写が補正され、白とびや黒つぶれが緩和された写真になります。

  • 絵画調標準絵画調標準

    ナチュラル]よりも白とびや黒つぶれが緩和された写真になりますが、コントラストを抑えたフラットな階調のため、絵画のような仕上がりになります。被写体の輪郭部分に明るい(または暗い)縁取りが付きます。

  • グラフィック調グラフィック調

    絵画調標準]よりも鮮やかでありながら、コントラストを抑えたフラットな階調で、グラフィックアートのような仕上がりになります。

  • 油彩調油彩調

    最も鮮やかで被写体の立体感を強調した、油絵のような仕上がりになります。

  • ビンテージ調ビンテージ調

    鮮やかさと明るさを抑えながら、コントラストをさらに抑えたフラットな階調で、色あせた古めかしい感じの仕上がりになります。被写体の輪郭部分に明るい(または暗い)縁取りが強めに付きます。

絵画調標準 グラフィック調 油彩調 ビンテージ調
彩度 標準 高い より高い 低い
輪郭強調 標準 弱い 強い より強い
明るさ 標準 標準 標準 暗い
階調 フラット フラット フラット よりフラット

参考

  • 各仕上がり効果とも、設定されているピクチャースタイル()を基本にした画像特性で撮影されます。