マーカーを使用したカメラトラッキング

MREAL Platformに用意されたマーカーを印刷して、カメラトラッキングに使用することができます。

概要

配置したマーカーをMREAL Displayで撮影してカメラトラッキングを行います。空間内に特徴点となる構造物などが少ない場合に有効です。空間特徴よりも高精度のMREAL体験が可能です()。

マーカー使用時の留意点

マーカーのサイズについて

  • マーカーのサイズ(枠の内側の一辺の長さ)は、マーカーの使用範囲(MREAL体験者からマーカーまでの距離)を基準にします。

  • マーカーの使用範囲は、マーカーのサイズの10~25倍(A1シリーズでは10~20倍)です。例えば、マーカーサイズが150mmの場合は、約1.5~3.75m(A1シリーズでは約1.5~3m)がマーカーの使用範囲になります。
  • MREAL体験の領域が広い場合は、カメラトラッキングが最も安定した状態でMREAL体験を行いたい位置を基準にして、主に使用するマーカーのサイズを決定します。
  • その他のマーカーも、MREAL体験の位置に合わせてサイズを決定します。

マーカーの枚数と配置について

  • MREAL Displayの映像に3個以上のマーカーが表示されるように、マーカーを配置してください(A)。その際に、斜めに映るマーカーを配置してください(B)。

  • 3DCGを表示する場所から近い場所にマーカーを配置してください。
  • マーカーの位置の変更や、マーカーの削除などを行ったときは、Marker Tool画面の[校正モード]タブを表示して、マーカーの撮影を再度行ってください。詳しくは「マーカーの登録」を参照してください。

注意

  • マーカーの裏面には厚紙などを貼り、曲がりや歪みなどが生じないようにしてください。曲がりや歪みのあるマーカーを使用すると、カメラトラッキングの精度が低下することがあります。
  • 同じIDのマーカーを複数枚使用しないでください。
  • MREAL体験者の位置によっては、マーカーの映像が小さくなり、カメラトラッキングが不安定になる場合があります。MREAL体験の領域に応じて、サイズの異なるマーカーを並べて配置することで、カメラトラッキングの安定性が向上することがあります。

マーカーの印刷

  1. Marker Print Toolを起動する

    Windows 11

    • スタート]ボタンをクリックします。
    • すべて]をクリックして、[Canon MREAL Platform 2025.x]>[Utility]>[MarkerPrintTool_x64]を選びます。
    • エクスプローラーで[MarkerPrintTool_x64]を選びます。

    Windows 10

    • スタート]ボタンをクリックします。
    • すべてのアプリ]をクリックして、[Canon MREAL Platform 2025.x]>[Utility]を選びます。
    • エクスプローラーで[MarkerPrintTool_x64]を選びます。
  2. マーカーの仕様を設定する

    • マーカーID]で、必要なマーカーのIDを選びます。0~1023は白地、1024~2047は黒地です。
    • マーカーサイズ]で、使用目的に適したマーカーのサイズを指定します。指定したサイズは、[マーカーID]で選んだマーカーすべてに適用されます。
    • マーカー間隔]で、1枚の用紙に複数のマーカーが印刷される際の間隔を指定します。印刷レイアウトは[プレビュー]で確認できます。
  3. 印刷仕様を設定して印刷する

    • 印刷設定]の項目で設定します。
    • 印刷]をクリックして印刷します。

マーカーの登録

印刷したマーカーをシステムに登録します。

準備

MREAL空間の床にマーカーを固定しておきます。その際に、基準マーカーとなるマーカー(A)を中心に、大きさの異なるマーカーを配置します。

登録手順

  1. MREAL Configuration Tool画面で[ベース設定]を選ぶ

  2. 世界座標系を定義]で[マーカーツールを使用]を選び、[ツール起動]をクリックする

  3. 表示された画面で、[カメラデバイスで撮影]を選び、[OK]をクリックする

  4. Marker Tool画面で[編集モード]タブを選ぶ

  5. マーカーの情報を削除する

    • リストに表示されているすべてのマーカーを選び、右クリックして[マーカー定義から削除]を選びます。

  6. 基準マーカーを登録する

    • マーカー名]のリスト覧上で右クリックして、[MREAL Markerを追加]を選びます。
    • MREAL Markerの追加]画面で、基準マーカーとして決めたマーカーのID、サイズを入力します。
    • 入力種別]のリストから[基準マーカー]を選び、[OK]をクリックします。
  7. その他のマーカーを登録する

    • Marker Tool画面で[校正モード]タブを選びます。
    • 自動キャプチャー]の[開始]をクリックして、マーカーを撮影します。

      以下のように、最初に基準マーカー(A)を画面に入れ、その後は(B)や(C)のように、前の撮影時に画面に入っていたマーカーが画面に入るようにして、すべてのマーカーを撮影します。

      また、以下のように方向を変えながら撮影を繰り返すことで、カメラトラッキングの読み取り精度の向上が期待できます。

    • マーカーが判別されると、以下のようにリスト欄にマーカー名と情報が表示されます。
    • 各マーカーの[校正判定]が[Excellent]または[Good]と表示されたら、[自動キャプチャー]の[停止]をクリックします。
    • 表示された画面で、[計算]をクリックします。
    • 計算が終了しました]と表示されたら[閉じる]をクリックします。
    • Marker Tool画面の[校正モード]タブで、[適用]→[OK]の順にクリックします。

校正モードのオプションメニューについて

Marker Tool画面の[校正]タブの[オプション]メニューの機能は以下の通りです。

  • 画像]では、校正モードで撮影した画像の読み込み/保存ができます。
  • 未定義マーカーの新規追加]のチェックを外すと、編集モードで追加したマーカーのみを校正の対象にできます。
  • 検出パラメーター調整]では、検出パラメータ調整画面が表示され、様々な閾値の調整ができます。

    認識性能の調整]では、明暗が混在した環境での、マーカー認識の性能を調整します。

    二値化閾値]では、マーカーを認識する際の、白黒を判別する閾値が調整できます。

    マーカー最小面積]では、マーカーを認識する際の最小面積が設定できます。

    閾値自動判定]にチェックを入れると、上記の閾値の調整が自動調整されます。

    検出処理の調整効果を表示]にチェックを入れると、画像の表示を二値/多値で切り換わります。