2-2 Canon Log 2/Canon log 3

カラーグレーディングを前提としたプリセットであるCanon Log2とCanon Log3の違いや用途を説明します。

Canon Log 2とCanon Log 3の特性比較
  Canon Log 2 Canon Log 3
暗部特性 暗部の傾きが急で、暗部階調表現が豊か。暗部のディテールを確認しやすい。 暗部の傾きが緩い。
フィルム特性、ITU-R BT.709との親和性 フィルム特性に近い。
片対数グラフでリニア領域が広く、色・輝度の階調を保ったままの露出操作が可能。
Canon Log同様ITU-R BT.709に近い画で、Canon Logよりもハイライト部が延長。
ポスト処理 自由度が大きい反面、大幅なコントラスト補正、色補正などグレーディング作業が必要。
CMT 709などのLUTを適用してグレーディングを行うことで、より簡易なグレーディング作業が可能となる。
比較的簡易なコントラスト補正、色補正などのグレーディングで済む。
増感マージン ゲインアップした際に約2段分ハイライト側に余裕がある。 なし
推奨するユーザー フィルムやLog特性の素材のグレーディングに慣れた人におすすめ。増感マージンがあるため、グレーディングの自由度が高く、思い通りの画作りが可能。 Log素材のグレーディングに慣れていない人でも比較的容易にグレーディング作業が可能。

フィルム特性に近いCanon Log 2と、ノイズが目立ちにくいCanon Log 3、両者をシーンやワークフロー、アウトプットの用途に応じて使い分けることをお勧めします。

EOS R3、EOS R5、EOS R6 Mark IIなどの機種ではCanon Logの設定はメニュー内で独立した設定項目でしたが、EOS R1、EOS R5 Mark IIではMENU内の「カスタムピクチャー」から設定を行います。

Canon Log 2とCanon Log 3の比較画像

全体画像(Canon Log 2)

Canon Log 2(暗部拡大)

Canon Log 3(暗部拡大)

Canon Log 3の記録したままの画像と色空間BT.709へ変換した画像の比較

Canon Log 3(記録したまま)

Canon Log 3(色空間BT.709に変換しコントラストと色調整)

Canon Log 2はCanon Log 3に比べて暗部の階調が豊富であるため、暗部の表現が必要なシーンで有効です。