2-4 Canon 709/ピクチャースタイル/BT.709 Standardの概要、違い

Canon 709/ピクチャースタイル/BT.709 Standardそれぞれの設定の画作りやダイナミックレンジの特性について説明します。

画作り

Canon 709とピクチャースタイルは、いずれもコントラストが高めの設定でカラーグレーディング不要で使いやすい画作りです。また人物の肌の階調や色の再現を重視して設計されています。

静止画での画作りと同じ画作りや設定で撮影する場合はピクチャースタイルを、フィルムライクな画作りをしたい場合にはCanon 709をおすすめします。

Canon 709

フィルムライクなルックとして設計されており、グレーディング不要かつCINEMA EOSの画作りで記録することができます。

ピクチャースタイル

静止画設定と同じ色再現を行います。[スタンダード]のほか、色鮮やかに再現する[風景]や、ポートレートの発色を重視した[ポートレート]等、プリセットを選択することで、簡単にルックを変更・調整できます。

BT.709 Standard

BT.709規格に準拠し、コントラストや彩度を抑えた放送向けの画作り。被写体に忠実な色再現が必要であったり、BT.709規格が必要な放送向けのユースケースにおいて特に有効です。ワークフロー上BT.709準拠のガンマ色空間設定が必要な場合はBT.709 Standardをお使いください。

ダイナミックレンジの違い

3つの設定の中ではCanon 709が最もダイナミックレンジが広く、ハイライトが白飛びしにくく階調性が保たれる設定です。撮影環境のダイナミックレンジが広いシーンではCanon 709の使用がおすすめです。

またピクチャースタイル設定時は、高輝度側・階調優先(D+)を使用する場合と使用しない場合でダイナミックレンジが変化します。

加えてBT.709 Standardはスーパーホワイトと呼ばれる白に近い階調信号を動画の中に持っています。スーパーホワイト部分も含めて表示するか・しないか、表示するモニターやソフトの設定や対応規格によって白に近い階調や白飛び部分の見え方が変わりますのでBT.709 Standardを編集・閲覧する際には注意が必要です。

ハイライト部分比較
ピクチャースタイル[スタンダード]

ハイライト部分比較
Canon 709