HDRモード
明暗差の大きいシーンで、白とびや黒つぶれが緩和された、階調の広い(ハイダイナミックレンジな)写真を撮影することができます。動いている被写体がある撮影では「動体優先」、風景などの静物撮影では「Dレンジ優先」を選びます。
HDR撮影では、暗部の階調の再現性を高めるため、1回の撮影でレンジの広い合成画像(暗部の領域を明るく補正したHDR画像)を生成します。
HDR画像はHEIFまたはJPEG画質で記録されます。
HDRはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略です。
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[:HDRモード]を選ぶ
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[HDRモード撮影]を選ぶ
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項目を選ぶ
- HDR撮影をしないときは[しない]を選びます。
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撮影する
- シャッターボタンを全押しします。1回の撮影で複数枚の画像が合成され、HDR画像としてカードに記録されます。
動体優先
動いている被写体がある撮影に適しています。1回の撮影でレンジの広い合成画像が撮影できます。
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最大輝度レンジ制限
[:HDR撮影]が[する]のときのみ設定できます。
[しない]を選んだときは、最大輝度レンジは制限されません。撮影画像を、1000nit以上の輝度表示が可能なモニターで確認するときにおすすめします。
[1000nit]を選んだときは、最大輝度レンジが約1000nitに制限されます。
Dレンジ優先
風景などの静物撮影に適しています。1回の撮影で露出の異なる3枚の画像(標準露出/露出アンダー/露出オーバー)を撮影して、自動的に画像合成を行います。
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Dレンジ
[自動]を選ぶと、撮影画面全体の明暗差に応じて調整幅が自動設定されます。
数値が大きいほどダイナミックレンジが広い写真を撮影することができます。
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最大輝度レンジ制限
[:HDR撮影]が[する]のときのみ設定できます。
[しない]を選んだときは、最大輝度レンジは制限されません。撮影画像を、1000nit以上の輝度表示が可能なモニターで確認するときにおすすめします。
[1000nit]を選んだときは、最大輝度レンジが約1000nitに制限されます。
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HDR撮影の継続
[1回で終了]を選んだときは、撮影が終了すると、HDR撮影が自動的に解除されます。
[繰り返し]を選んだときは、[HDRモード撮影]で[しない]を選ぶまでHDR撮影が続きます。
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画像位置自動調整
手持ち撮影を行うときは[する]、三脚などを使用するときは[しない]を選びます。
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撮影画像の保存
撮影した3枚の画像と、合成したHDR画像を保存するときは、[全画像]を選びます。
HDR画像だけを保存するときは、[HDR画像のみ]を選びます。
注意
- 拡張ISO感度(L、H)でHDR撮影を行うことはできません。
- HDR撮影時はストロボは発光しません。
- AEB撮影はできません。
- 空や白壁のようなシーンのグラデーションが滑らかに再現されなかったり、露出ムラや色ムラ、ノイズが発生することがあります。
- 蛍光灯やLED照明などの光源下でHDR撮影を行うと、フリッカーの影響によりHDR画像に色ムラや露出ムラなどが発生することがあります。[:フリッカーレス撮影]を[する]または[:高周波フリッカーレス撮影]を[する]にして撮影すると、フリッカーによる影響が軽減できる場合があります。ただし、[:高周波フリッカーレス撮影]は[Dレンジ優先]の場合は設定できません。
- 電子シャッターでのHDR撮影時は、シャッタースピードの上限が1/8000に設定されます。
[Dレンジ優先]設定時の注意事項
- [画像位置自動調整]を[する]に設定して撮影したときは、AFフレーム表示用の情報()、およびダストデリートデータ()は画像に付加されません。
- [画像位置自動調整]を[する]に設定して手持ち撮影を行うと、画像の周辺部分がわずかにトリミングされ、解像感が若干低下します。また、手ブレなどにより画像のズレ量が大きいと、自動位置合わせが行われないことがあります。なお、極端に明るい(または暗い)露出設定で撮影すると、自動位置合わせが適切に行われないことがあります。
- [画像位置自動調整]を[しない]に設定して手持ち撮影を行うと、3枚の画像がズレてHDRの効果が十分に得られないことがあります。そのときは、三脚の使用をおすすめします。
- 複数枚の画像を撮影する際に、シャッタースピードやISO感度が自動的に変化します。そのためFv Tv Mモードでも、設定したシャッタースピードを基準に、シャッタースピードやISO感度が変化します。
- 手ブレを抑えるため、ISO感度が高く設定されることがあります。
- 格子模様、ストライプ模様のような繰り返しパターンや、画面全体が平坦で単調なときは、自動位置合わせが正常に行われないことがあります。
- HDR撮影は撮影後に画像を合成してからカードに記録するため、時間がかかります。画像処理中はモニターに[BUSY]が表示され、処理が終わるまで次の撮影はできません。
[動体優先]設定時の注意事項
- [:シャッター方式]を[電子シャッター]に設定して動きの速い被写体を撮影すると、被写体が歪んで写ることがあります。
参考
- [動体優先]でのHDR撮影は電子先幕または電子シャッターが設定できます。
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[Dレンジ優先]に設定すると、RAW画質で撮影したときのHDR画像は次のようになります。
- [:HDR撮影][しない]:JPEG画質
- [:HDR撮影][する]:HEIF画質
なお、RAW+JPEG画質またはRAW+HEIF画質で撮影したときは、HDR画像は設定したJPEG画質またはHEIF画質で記録されます。
- [動体優先]または[Dレンジ優先]に設定すると、[:表示Simulation]を[しない]以外に設定しても露出のシミュレートは行われません。